対立した概念のように捉えられることも多い、エッジコンピューティングとクラウドコンピューティングですが、両者は非常に密接な関係にあります。むしろ、お互いが補い合うことでより効率的で便利な情報管理を可能にすることができると言ってもよいでしょう。

クラウドコンピューティングは、情報をサーバー上の一か所に集めたうえで総合的にデータを扱うのに対して、エッジコンピューティングはセンサーやカメラなど端末デバイスの近くで情報の処理を行います。つまり、役割分担のような位置づけとも言えるのです。

たとえば、何かを製造している工場においてエッジコンピューティングを導入し、何かトラブルが起こった時に端末デバイスでその情報をリアルタイムで処理する環境を構築したとします。これにより、トラブルに対して迅速な対応ができるわけですが、そのトラブルのデータをクラウドコンピューティングに集積させることでどのような状況でトラブルが生じたのか、製造現場にどのような問題が生じたのか、といった分析を行うことができます。それによって、以降に同じようなトラブルが起こらないよう改善策を練っていくことが可能です。

エッジコンピューティングで現場の処理を行い、その処理を行ったデータをクラウドコンピューティングに集積したうえで総合的な分析を行い、エッジコンピューティングが機能している現場の環境を改善します。両者の間には、こうした相互関係が存在しており、うまく稼働させることで現場の状況をよりよく改善していくのに役立つのです。

エッジコンピューティングについては、こちらの《エッジコンピューティングで生活を豊かに》に概要やメリット、活用事例などがまとめられているので、併せて読んでみてください。